賃貸物件の水回りはリフォームできる?リフォームする際の注意点
水回りのリフォームがしたいけれど、賃貸物件である理由から「勝手に交換をしてもよいのか?」と考えている方は、これから話す内容を参考にしてください。リフォームの注意点をご説明しますので、十二分に検討してから交換をしましょう。
原状回復ができればリフォームOK
そもそも原状回復とは何でしょうか?原状回復とは、住んでいた部屋を住み始める前の状態にすることです。借主は転出時に、原状回復をする義務があります。以上を踏まえれば、賃貸物件でもリフォームは可能ですが、転出時に住み始める前に戻す必要があるということです。
しかし、元に戻さなければならないのはリフォームした部分だけではありません。たとえば、画鋲でできた小さな壁の穴から、床の傷や汚れなどすべてキレイにする必要があります。せっかくなので、「経年劣化」と「通常損耗」と「特別損耗」の三種類についてもご説明します。
経年劣化
経年劣化とは、その名の通り、時間の流れで劣化していくものを指します。具体的には、日の光を浴びて色褪せたフローリングや、壁紙の日焼けなどです。普通に生活していても起きてしまう劣化は、入居者に責任はなく、元に戻すのは貸主の場合が多いです。
通常損耗
通常損耗とは、意図的な損耗ではないものが対象になります。たとえば、家具の設置が原因で起こる床の凹みや家具や家電における変色などです。生活していく上で、傷や汚れ一つなく転出までするのは不可能なので、通常損耗も貸主が元に戻す場合が多いです。
特別損耗
こちらの場合に限り、入居者に責任があります。特別損耗とは、故意で行われた傷や汚れを指します。例を挙げると、たばこのヤニによる変色や、水回りのカビや水垢などが対象です。
定期的に掃除をして、手入れを行えば汚れなかったものをそのままにしておくと特別損耗になります。その場合は、修繕費を借主が支払わなければなりません。転出時には特別損耗の確認と、リフォームをしている場合は交換した箇所も借主が元に戻す必要があります。
大家さん・不動産会社に交渉でOKになる場合も
部屋すべてをリフォームしてよいわけではありません。しかし、交渉次第でOKとなる場合もあります。部屋を借りる際に水回りに譲れない条件を持っている方は多く、入居してからリフォームをしている方も少なくありません。そこで、リフォームをする前に知っておきたい注意点をお話しします。
費用は自己負担
基本的に借主が希望してリフォームする場合は自己負担で行います。とくに水回りとなれば、水漏れによる漏水の可能性があります。漏水の補償金額は高額となり、リフォームをして快適な生活を送るどころか、窮屈な暮らしになってしまいます。
どうしても行うのであればプロに任せる
水回りは専門性が非常に高く、あまり知識のない人が修理を行うと事ゆえにつながりやすいです。もし経年劣化によるリフォームを考えているのであれば、貸主が修繕費を支払って解決してくれるはずです。それ以外での理由でリフォームを検討してるのであれば、貸主に相談して見積りの確認や書面での同意などをしてから業者を探してみてください。
賃貸物件の水回りリフォーム、費用の相場は?
では、浴室リフォームを例に費用の相場を確認していきましょう。浴室はとくに多くの借主が意識している部分の一つです。たとえばユニットバスの交換は、グレードや経費を加味しておおよそ50万円~150万円程が相場です。リフォームの内容によって費用が大きく異なるため、もう少し細分化してご紹介していきます。
浴室の壁や浴槽の塗装
浴室の壁に新しいパネルを貼り付けて、浴槽も合わせて塗装し、キレイな見た目にしてリフォームを成功させている方がいます。塗装だけの場合は、10万円程からリフォームが可能なので、キレイな浴室を希望している方は検討してみてください。
バリアフリーの対応
入居者が高齢者の場合、浴室に手すりを付けている方もいます。浴室は滑りやすいので、高齢者の住みやすさを重視したリフォームです。こちらは比較的価格も安く、3,000円~から工事を行えます。しかし手すり用の下地が必要なので、価格が変動しやすく、注意が必要です。
ユニットバスの交換
こちらは希望者によっては間取りも変更するため、費用にムラがあります。ユニットバスのリフォームを行った方は、約50万円~150万円程かかっています。浴槽の交換やトイレの撤去等もあるので、しっかりと検討した上でリフォームを行ってください。
リフォーム費用を抑える方法
費用が高く、簡単にはできないリフォームなので、少しでも安くしたいと考えている方も多いかと思います。コストを削減するためには、必要な部分だけリフォームする方法もあります。劣化している部分だけの交換や見た目だけキレイにしたい方は、ピンポイントのリフォームも検討してみてください。複数の業者に見積りを出してもらって、もっとも安い金額で対応してくれる所に依頼するなどして、コスト削減につなげてリフォームをしましょう。
まとめ
賃貸でのリフォームについて解説しました。貸主に一度相談し、同意を得てからリフォームを始めましょう。勝手なリフォームは人間関係を悪くさせ、生活していく上での障害になりかねません。転出時のことも考えてリフォームを行ってください。